1950年代から始まった高度経済成長期は、国内橋梁も建設ラッシュであった。その後、架けた橋をどう維持・管理するかが徐々に問題視されるようになった。
この章では、同業他社に先駆けて取り組んできた川田の「橋梁メンテナンス」の歴史に迫る。
1970年代の⽇本では、橋を「架ける」技術は進歩していたが、架けた橋を「守る」技術は未だ未発達。想定より遥かに短い期間で劣化してしまう事例も⾒受けられ、橋の維持管理保守の技術向上が求められていた。
「株式会社綜合メンテナンス」
「株式会社中京メンテナンス」の誕⽣
早期から橋梁保守専⾨組織の重要性を提唱してきた当時の川⽥⼯業専務取締役・宮崎昭⼆、同名古屋営業所⻑・絹⾕敏孝。彼らの先⾒の明で、同業他社に先駆けて橋梁維持管理の専業会社2社を発⾜。
橋梁補修事業を営むに際し、橋梁で最も傷みやすい「伸縮装置(ジョイント)」に注⽬。
フランス・シーペック社のアルミ合⾦鋳物製伸縮装置
「シーペックジョイント」に出会う。
シーペック社と業務提携し
「シーペックジョイント」を輸⼊開始
「株式会社橋梁メンテナンス」設⽴
補修技術の研究開発・シーペックジョイントの輸⼊を担う「綜合メンテナンス」と、補修⼯事の施⼯・シーペックジョイントの販売・施⼯を担う「中京メンテナンス」を合併し、橋梁業界における競争⼒を⾼めていった。
フランスからの輸⼊品であるシーペックジョイントの製品精度を改良すべく、
当時主流だったアルミ合⾦製本体⾦物の国内⽣産(神⼾製鋼所)に踏み切った。
施⼯に⼿間と時間が掛かる
「ボルトによる伸縮装置と床版の定着⽅式」
…なんとか改良できないか︖
とのお客様の声を受け、伸縮装置定着⽅式の改良にも着⼿
孔あきジベル導⼊で
ボルト定着が不要の
従来のボルト締めではなく“伸縮装置にあらかじめ孔をあけた部材(孔あきジベル)を付加し、コンクリートと⼀体化させる”ことで定着させる独⾃の伸縮装置を開発。
施⼯時間の⼤幅な短縮を実現した。2006年度にはグッドデザイン賞を受賞している。
保全事業を川⽥建設に移管、
伸縮装置・排⽔装置の専業へ
橋梁メンナンス⾃社⼯場
南砺⼯場を設⽴
コンクリートセイバー
NETIS登録
KMSⅡジョイントが首都高速道路(株)の簡易鋼製ジョイント「伸縮装置騒音・振動測定試験」に合格
東北事務所、九州事務所を開設
KMAジョイント60・80・110型がNEXCO新基準適合製品となる
南砺工場に恒温試験室及び
繰り返し圧縮試験機を導入
KMAジョイント160・230・320型がNEXCO新基準適合製品となる
KMAジョイントを初輸出
『ODA/キルギス国/クガルト橋』
南砺工場に自動倉庫システム
及び重量バランス装置を導入
床板用水抜きパイプ
「クイックドレーン」
NETIS登録
KMSⅢジョイント
NETIS登録
KMA販売実績40000m超え
橋を
「架ける」だけでなく
「守る」
技術も
時代と共に進化させてきた
川⽥グループ。
今後もさらなる⾶躍へと
前進し続ける。